
ChatGPTやGoogle Geminiなど、AIによる情報収集や回答生成が日常化してきた今、Webサイトの情報がどのようにAIに利用されるかを管理する必要が出てきました。
そこで登場したのが、llms.txt(エルエルエムエス・テキスト)です。
llms.txtとは何か、その役割、設置するメリット、具体的な書き方や対応方法までを詳しく解説していきたいと思います。
コンテンツ目次
llms.txtとは?
llms.txtとは、ChatGPTをはじめとする大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)向けのクローラーに対して、Webサイトの情報利用を制御するためのテキストファイルです。
これは、従来の検索エンジン向け制御ファイルである「robots.txt」と似た概念ですが、対象は検索エンジンではなく、AIクローラーになります。
設置場所は、https://yourdomain.com/llms.txt のような形で設置をする形になります。
なぜllms.txtが重要なのか?
1. AIへの情報提供をコントロールできる
AIモデルの学習に自社のコンテンツが使われたくない場合、明示的に“拒否”できます。
逆に、使ってほしい場合は“許可”も可能です。
2. プライバシー・著作権への配慮
有料コンテンツや会員制コンテンツなど、AIに学習させるべきでない情報がある場合、アクセスを制限できます。
3. 今後のスタンダードになる可能性
OpenAI(ChatGPT)、Anthropic(Claude)、Google(Gemini)などの主要AI開発企業が提唱しているため、近い将来業界標準になる可能性が高いです。
具体的な記述例
User-Agent: GPTBot
Disallow: /private/
User-Agent: ClaudeBot
Allow: /
User-Agent: *
Disallow: /members/User-Agentは、AIクローラーの名前(例:GPTBot、ClaudeBot)Disallow:このディレクトリは読み取らせないAllow:このディレクトリは読み取らせて良い
設置方法
- llms.txtというファイルを作成(テキストエディタなどで)
- Webサーバーのルートディレクトリにアップロード(
/public_htmlや/wwwなど) - https://自分のドメイン/llms.txt で表示されるか確認
※robots.txtとは別のファイルとして認識されます。
導入をおすすめしたいサイト
- メディア・ブログ:著作権に敏感なオリジナル記事がある場合
- 会員制サービスサイト:有料情報を守りたい場合
- 企業Webサイト:コンテンツの意図しない引用を防止したい場合
まとめ:今後はAI向けの情報制御も「常識」に
AIがWeb情報を学習し続けるこれからの時代、llms.txtは「Webコンテンツの意思表示」として重要な役割を果たすようになってくると思います。
現状は必須ではなく、過渡期とも言える状況なので、今後どのように進化をしていくかはわからないですが、企業の信頼性や情報統制の観点から、今から準備しておく価値はあると思います。
ご自身のサイトがAIにどう扱われたいか、を明示する第一歩として、llms.txtを導入してみてはいかがでしょうか?

