WEBサイト制作の発注に失敗しないために。事前準備すること12個&手順・流れ

2023.12.04

2023.12.04

今回は、WEBサイト制作を発注する前に、事前準備として必要なことを12個の項目に分けて、解説していきたいと思います。

WEBサイト制作を失敗に終わらせないために、良い制作会社やクリエイターのスキルを見極めて発注することは非常に大切なんですが、

会社や店舗、商品やサービスのWEBサイト制作を成功させるには、依頼前の事前準備というのもあわせて非常に大切になってきます。

WEBサイトの発注というのは、商品を購入したり、仕入れたりするのとは全く違います。

ワンクリックで購入すれば、完成されたWEBサイトが届くというものではありません。

WEBサイト制作は発注する側の事前準備と、制作会社との打ち合わせが非常に大切になってきます。

簡単に言ってしまうと、「誰に、何を、どのように、どうやって」伝え、どんなアクションをとってもらうのかをしっかり双方で共有した上で、設定した目的や課題解決に向けて制作を行なっていきますので、情報共有・準備がしっかりと受注側・発注側で認識があっていないと、サイトがうまく仕上がらなかったり、WEBサイト自体が綺麗にできても、成果につながらなかったりなど、良い結果が出ないまま、失敗に終わってしまうことになります。

というわけで、今回は、WEBサイトの制作を失敗に終わらないためのヒントを12のポイントに分けて解説させていただきたいと思います。

WEBサイトの課題・目的を明確に

まず最初に考えておくのは、「WEBサイトを制作する目的」です。

WEBサイトを制作したいと思ったということは、何かしら、実現したいことがあって、思ったことだと思いますので、まずそれを明確にしておきます。

「お問い合わせを増やしたい」「予約数を増やしたい」「認知拡大を行いたい」「ブランドイメージの向上のため」「採用活動を行いたい」

など、あると思いますが、お客様にまず「何をしてもらいたいのか」をはっきりとさせておきましょう。

など、できるだけ具体的に考えられると良いです。

  • 「営業資料のダウンロード数を増やしたい」
  • 「新商品リリースに伴い、認知拡大を行うためのページを作りたい」
  • 「新規顧客からのお問い合わせやご予約数を増やしたい」
  • 「見づらい・わかりづらい部分があるのでリニューアルしたい」

会社のコーポレートサイトであれば、企業として、解決したい課題は何か?問題点は何か?


それらを解決するためにはどのような方法があるのか?

といった事も一緒に考えておくと良いでしょう。

会社の情報を整理するときに、こういったことを改めて考えなおすことによって、WEBサイトが制作できるだけではなく、会社としての方針や課題解決の方向性を明るくすることも可能になるかもしれません。

リニューアルをする場合は、現状のWEBサイトを運用してみて不便と感じていることや、改善したい点もまとめておくと良いです。

しっかりと現状の状態や目的を共有することで、制作会社はそれに沿った制作内容を提案できるようになります。

自社のコンセプトを決める

次に、自社のコンセプトをはっきりとさせておくと良いです。これも内容次第でサイトのデザインに反映されてくる部分になります。

企業のイメージに合ったデザインを打ち出す必要がありますので、例えば、同じコーポレートサイト制作でも、地方の小さな建設会社が、

「地域の皆様に寄り添い、アットホームな住まいづくり」

のようなコンセプトの場合と、六本木にあるIT企業が、

「最先端のテクノロジーで、ビジネスの課題解決を最速で」

のようなコンセプトの場合、同じコーポレートサイト制作であっても、

業種やコンセプトによってデザインや雰囲気が全然違うものになるであろうというのは、簡単に想像がつくと思います。

自社のイメージやコンセプトに合ったWebサイトにするために、できるだけ詳しく自社のことを制作会社に伝えて、情報共有をしっかり行いましょう。

ターゲット・ペルソナを決める

自社のターゲット・ペルソナを決めましょう。

こちらも内容によってデザインが大きく変わってくる部分です。

ターゲットの「年齢・性別・地域・興味」などの属性によって、効果的なWebサイトの作り方が異なりますし、BtoBかBtoCなのかでもデザインが変わってきます。

WEBサイトの目的としては、ユーザーに、などのアクションを起こしてもらうことになります。

そのために、ターゲットユーザーがアクションを起こしたくなるようなWEBサイトのデザインや構成にした方がより成果が出やすくなってきます。

世の中に無数に溢れている同業の会社やサービスの中から、自社を選んでもらうためには、ターゲットユーザーにしっかりとアプローチできるWEBデザインにする必要があります。

アプローチの仕方を考えるためにも、ターゲット像はより詳しく、明確に設定した方が良いと言えます。

「ペルソナ」を設定して、より細かくユーザー像を設定して、対象になる顧客の人物像を設定しておくと良いでしょう。

現在のユーザーと、企業側が求めるターゲットがずれていないか、ということを見極めておくことも大切です。

サービス・商品の強みを分析・理解する

自分たちで事業を行なっていても、自社のサービスや商品の特徴や魅力というものは、なかなか自分達では気づかないことも多くあります。

自社のサービスや商品の本当の魅力・強みって何だと思いますか?

無数のWebサイトの中から自社を選んでもらい、アクションを起こしてもらうためには、競合他社や競合店舗と差別化をしていく必要があります。

そのために、自社の魅力や強みをじっくりと分析するということが必要になってきます。 

商品やサービスの強み、アイデアなどをできるだけたくさん書き出してみて、そのなかから「ターゲットに最適なもの」や「一番伝えたいこと」などをピックアップしていきます。

その情報を制作会社やクリエイターなど、制作メンバーに共有して、どのような見せ方、アプローチの仕方をすればよりしっかり伝わるかを、一緒に考えていきます。

WEBサイト制作・リニューアルを制作会社に頼む際、制作側でもクライアントの企業について調べたり、ヒアリングを行ったりはするんですが、発注する会社側が自社のことをしっかりと把握し、整理をしておくと、よりプロジェクトがスムーズに進行していきます。

これも良いWEBサイトを作るために必要な要素になってきます。

競合他社のリサーチ・分析

どんな業種でも必ずライバルや、類似したサービスを行う会社や店舗は存在すると思います。

同業他社がどのようなことを行なっているのかや、差別化を図るために、まずは、競合になるWebサイトを分析してみましょう。例えば、24時間営業のフィットネスジムなどであれば、「24時間 ジム」などで検索し、上位に表示されているサイトを順にみていきます。

こちらは大きなキーワードですが、より具体的に、地域や駅名などを加えて、例えば、「下北沢 24時間 ジム」などで検索をすると、近隣で近いサービスを行なっている競合になる店舗のWEBサイトが出てくると思います。

競合サイトをじっくりと観察し、良い面や悪い面を洗い出していきましょう。

商品やサービスの売り出し方、デザインの見せ方、コンセプトや会社の理念など、WEBサイトの作り以外にも、コンテンツや会社自体の思想や体制などを知ることで、

自社のホームページはどのように作れば良いのかが見えるようになってくると思います。

顧客・ユーザーのニーズの分析

先ほど設定した、ターゲット・ペルソナになるユーザーに、どのようなニーズがあるのか?を知ることができると、より良いWEBサイトを作ることができます。

まず、自社が伝えたいこともそうですが、「ユーザーが必要としている情報」を考えることが大切です。

  • スタッフの雰囲気や接客
  • 交通アクセス
  • 予約方法
  • メニュー・料金体系
  • 問い合わせ先

など、このような情報は、WEBサイトを作る際のページ構成要素として使えます。

ターゲットになるユーザーがどのような情報を求めてサイトにアクセスしてくるのか、イメージし、

必要な情報をわかりやすくまとめることが大切になります。

はい、ここからは、制作会社と一緒に考えていくことも多いのですが、発注者側の方で、より明確な形で準備をしておいていただくと、見積もりを安く抑えることも可能になりますし、

WEBサイトが仕上がるまでのスピードも早くなってきますので、ご自身で用意できる方はぜひやってみていただければと思います。

参考にしたいデザインをピックアップ

イメージに近いデザインや、参考にしたいサイトを事前に調べておいて、制作会社に伝えることで、イメージの共有が可能になってきます。

デザインを作ってから大幅な修正の要望を出したり、イメージと違うからといって、作り直しをしたり、キャンセルをしたりすると、無駄な時間と費用が発生してしまいます。

デザイン制作に入る前に、イメージに近いものを、視覚的に共有しておくと、手直しや作り直しも減ってきますので、こだわりがある場合は、特に事前にしっかりと用意しておきましょう。

実装したい機能の洗い出し・CMS選定

一口にWEBサイトと言ってもボリュームや機能は様々です。

WEBサイトに実装したい機能や、使用するCMSなどを何にするかなど、事前に洗い出しをしておきましょう。これも最初の段階でやっておくことで、スケジュールや見積もり、実現可能かどうかなどが明確になります。

例えば、

  • サイト内に絞り込み検索を実装したい
  • 導入事例を随時管理画面から簡単に更新できるようにしたい

etc…

というようなことです。

できるだけ細かく要望をまとめておくと、

認識のズレが無くなってきますので、こちらも事前にしっかりと考えておくと良いと思います。

サイトマップ・ページ数の確定

WEBサイト全体のページ数やサイトマップを一通り作成しておくことで、サイトの規模や構成が明確になってきますので、こちらも用意をしておくと話がスムーズになります。

細かい部分は、制作会社に調整してもらえば良いので、一旦、一通りサイト全体のページ構成をどうしたいのかというのを、資料にまとめておきましょう。

競合他社のサイトのサイトマップを見ながら、参考にして、自社のサイトに必要なページやコンテンツを整理してまとめるという風にすると、まとまりやすくなると思います。

納期・予算・作業範囲を明確にする

こちらは当然発注前に確定しておくべきところなんですが、

納期・予算・作業範囲を明確にして、発注面の条件をクリアにしておく必要があります。

特に、予算を確定する際は、見積もりを出す前に、先ほど説明したような、サイトの目的や規模、ページ数や機能などをある程度決めておかないと、発注後に要望を追加したり、やりたいことが増えたりすると、見積もりが大幅に変わったり、それが原因でトラブルになることもあります。

スケジュールについても、作業内容次第で、作業工数が大きく変わりますので、無理なスケジュールの要望や、制作内容が変わったりすると、スケジュール通り進まなくなってしまいますので、

できるだけ明確に、納期や予算、作業内容を決めていく必要があります。

発注側だけでは分からないことも多いと思いますので、制作会社に質問をして、相談をしながら、予算やスケジュールを一緒に決めていくと現実的な形にまとまっていきます。

写真や動画・テキストの用意

WEBサイトに使用する写真や動画、文章は、制作会社やライターが用意する場合と、

発注者側で用意する場合の2パターンがあります。

制作会社が用意するとなると、追加費用がかかってきます。ライターやカメラマンが必要となりますので、制作費以外に、ライティング費用や撮影費用などがかかります。

クオリティの高い、本格的なものにしたい場合はプロに任せてしまった方が、費用はかかりますが、短時間で良いものが出来上がります。

ご自身で用意できる場合は、発注する必要はないので、その分費用も安く抑えることができます。

公開後の運用方針と担当者を決める

WEBサイトの公開後に、どのようにサイトを運営していくのかというのも、ある程度想定しておいた方が良いです。

記事コンテンツを書いて更新をして、SEO対策をしたり、事例を追加したり、ニュースやプレスリリースを更新したり、WEB広告の出稿など、WEBサイトは公開してから行うべきことが複数あります。

日々の運用を社内で行うのか、制作会社に月額制などの契約をして更新代行をしてもらうのかなども、決めておくとより良いと思います。

制作会社が考えるべきことや作業内容は、構成や導線設計、デザイン、コード実装、SEO対策など、多くの業務が発生します。

同時に発注者側の会社が考えるべきこともたくさんあります。

しっかりと計画を立てておくと、時間も費用も無駄にならず、効率の良いWEBサイト制作・運用が可能になります。

最後に

はい、いかがだったでしょうか?

本日お伝えした事前準備をしっかりと行うことで、WEBサイトの制作の失敗のリスクを減らせると思います。

ただ綺麗なだけのWEBサイトを作っても、必要とする人や見てほしい人にしっかりと伝えることができなければ、作った意味がなくなってしまいます。

WEBサイトを作りたい気持ちだけが先に行ってしまわないように、事前にしっかりと準備すべきことをやってから、制作に取り掛かりましょう!

KEiSoN★

インターネット・ITに将来の可能性を感じ、デジタルハリウッドオンラインスクールで、webデザインを学ぶ。
2007年よりECカート開発会社にてwebディレクター/webデザイナーとして従事。マネージャー職も務める。
2009年1月よりフリーランスのwebディレクター/Webデザイナーとして独立し、ノマドな働き方を試み始める。
過去16カ国ほど訪れ、一眼レフにその景色を収めながら時々ドローンも飛ばすなど、写真や映像のクリエイティブにも触れる。
2015年11月にスカイゴールド株式会社として法人化。
中小企業向けのWebブランディング・デザイン、Wordpressのオリジナルテーマ開発・オウンドメディア構築が得意。
国内外の様々な価値観・デザインに接触することで、幅広いクリエイティブや臨機応変にアイデアを提供する。