BtoB企業のマーケティング担当者は、自社の商品やサービスを購入してもらうために何から手をつけて良いのかわからない、といった方が多いのではないでしょうか。
自社製品の購買につなげるための施策にはさまざまな種類があり、企業規模や扱うサービス、認知度によって、選ぶべき最適な施策は大きく変わります。
そこで本記事では、BtoBのマーケティング担当者に向けて、「BtoBプロモーション」について解説します。
まず初めにプロモーションとは何なのかをお話しし、施策の種類や事例も交えて、BtoBプロモーションについて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
そこで本記事では、BtoBのマーケティング担当者に向けて、「BtoBプロモーション」について解説します。
まず初めにプロモーションとは何なのかをお話しし、施策の種類や事例も交えて、BtoBプロモーションについて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
コンテンツ目次
プロモーションとは
「プロモーション」という言葉には、広義と狭義の意味があります。
まず広義では、企業・自社製品と顧客との間の関係づくりのための活動のことをいいます。具体的には、以下の要素などを総称してプロモーションと呼びます。
- ・広告・・テレビCMやその他広告を使った認知を上げるための活動
- ・PR(パブリックリレーションズ)・・・顧客との間に良い関係性をつくり長期的に購買を促す活動
- ・販売促進(セールスプロモーション)・・・顧客の購買行動に直接的につなげる活動
- ・人的販売・・・人が直接購買を促す活動
ここでの「販売促進」が狭義の意味での「プロモーション」に当たります。
例えば、値引きや特典の付与といったお得なキャンペーンの実施、展示会やセミナーなどのイベント開催、タイムセールやPOPなどを利用した店頭でのプロモーション、ダイレクトメールなどは狭義の意味でのプロモーションです。
つまり、狭義のプロモーションとは認知やファンづくりにとどまらず、最終的に商品を買ってもらうために行う活動のこと。マーケティングで使われる「プロモーション」は、基本的に狭義のプロモーションを指しています。
広義と狭義の意味でのプロモーションについて説明したところで、続いて多くの人が混乱するのが「広告」と「プロモーション」の違いです。次に、その違いについて説明します。
広告とプロモーションの違い
広義のプロモーションでも説明したように、「広告」とはテレビCMや新聞、その他メディアでの広告など、各種媒体を利用して認知度を上げる活動のことです。
つまり、広告は広義のプロモーションの1つに分類されます。
次に、広告と狭義のプロモーションを比べてみましょう。
この2つは、まず目的が違います。広告の一番の目的は「大勢の人に認知されること」。これに対して、直接購買に結びつける活動である狭義のプロモーション(販売促進)は「商品を購入してもらうこと」が目的です。
広告が「知ってもらうための活動」であるのに対して、狭義のプロモーションは「最終的に買ってもらうための活動」。ここに、広告と狭義のプロモーションの違いを見ることができます。
BtoBマーケティングの特徴
BtoCが企業と一般消費者間での取引であるのに対し、BtoBは企業と企業間です。
BtoBマーケティングは企業が企業に向けて行うマーケティングのことで、見込み客を選定し、アプローチを続け、商談や受注までつなげるプロセスのことをいいます。
BtoCマーケティングと違い、BtoBマーケティングは検討期間が長いことや営業活動が必要であるといった特徴があります。次に、その特徴について詳しく解説していきます。
購買の意思決定について
BtoBは企業間の取引なので、個人と違って一人だけで購買の意思決定をすることは基本的にはありません。
購入を検討する際には、利用者ひとりの権限では決定できないため、その上長、部長、役員、代表など多くの人が関わってきます。
稟議書と呼ばれる書類を作成し、上層部に承認してもらう手続きが必要な場合がほとんどです。
さらに、他社の類似サービスと比較検討し、慎重にサービス導入を決定します。したがって、個人で即決できるBtoCに比べて、検討から購入までの期間が長くなってしまう傾向があります。
そのため、BtoBでは、購入につなげるために自社の価値訴求が必要になります。
自社の製品は、他社と比べてどこに優位性があるのか、自社と取引するとどんなメリットがあるのかなど、しっかりと伝えることで購買の可能性を上げることができます。
購買がWEBで完結しない
BtoBは、購買がWEBで完結せずに必ず営業マンが介在するのも大きな特徴です。
基本的にはWEB上で商談が完結することはなく、購入検討段階で企業間で直接やりとりをし、製品の魅力や他社との違いなどの情報を共有した上で、購入の意思決定がされます。
したがって、いくら製品が便利なものでも、サービスサイトが魅力的でも、営業担当の人間性に難があったり、窓口の対応が悪かったりすると、購入可能性を下げる要因になります。
BtoB企業のプロモーション施策
BtoB企業のプロモーション施策にはさまざまな手法があります。なかでも代表的な施策をいくつか紹介します。
展示会
プロモーション施策のひとつに挙げられるのが展示会への出展です。
展示会は、「一度に多くの顧客を呼び込むことができる」「直接顧客の反応を見ることができる」「会社や製品の認知拡大につながる」といったメリットがあります。
展示会は規模にもよりますが、一度に大勢の顧客とつながることができます。展示会から次の商談に発展することも多くあるので、多くの見込み客を獲得することができます。
自社製品への反応がダイレクトに届くのも展示会の良い点です。
反応が良かった顧客には、展示会後に連絡することで商談につながる可能性もあります。
また、展示会に参加する人は多くの場合が情報収集を目的としています。そのため、展示会でのアピール方法によっては、そのような人たちに向けてより深く会社や製品を知ってもらえる良い機会となります。
既存顧客とのコミュニケーションの場にもなるので、既存顧客との良好な関係を維持するのにも最適な方法です。
外部のカンファレンス登壇
外部でのカンファレンス登壇もプロモーション施策の一つです。
カンファレンスとは、特定の分野に知見のある人たちが設定されたテーマについて討論を交わすイベントです。規模にもよりますが、数百名〜それ以上の参加者が集まる場合もあります。
登壇者として参加すれば一度に大勢への認知を広げることができます。また話す内容にもよりますが「その分野の専門家である」という大きな信頼感を与え、購買意欲を高めることができます。
オウンドメディア運営
オウンドメディア運営は、認知拡大から見込み客の育成、商談化までを可能にするプロモーション施策です。
ターゲットが抱える悩みや課題を解決する記事を更新し続けることで、情報収集しているターゲットに対して認知拡大が可能になります。自社商品やサービスの活用が課題解決につながるといった情報をあわせて発信していくことで、閲覧者からのお問い合わせや受注につなげることもできます。
ただ、コンスタントな記事の更新が必要で、顧客の検討期間が長く、結果が出るまでに時間を要するという特徴もあります。オウンドメディア運営は長期的な施策として頭に入れておきましょう。
メルマガ配信
メルマガ配信は、メールアドレスを登録したユーザーに対して有益な情報をメールで届けるプロモーション施策です。
メルマガは「低コストで実践できる」「ユーザーの個人情報を入手できる」「定期配信することでユーザーに自社を思い出してもらえる」などのメリットがあります。
ただ、有益な情報を発信し続けなければ購読をやめてしまうユーザーが現れます。業界の最新情報や成功事例、ユーザーの課題解決ににつながる情報、自社だからこそ持っている情報といったように、読者にとって役立つ情報を発信し続けることが大切です。
外部メディアでの記事広告
認知拡大から購買行動にまでにつなげることができるプロモーション施策が業界メディアへの記事広告です。
記事広告は、第三者がユーザー目線で書いた記事形式の広告をいいます。あくまで「記事」なので読者に違和感なく読んでもらえ、第三者が紹介しているという安心感・信頼感を与えることもできます。
WEB広告配信
プロモーションに有効なWEB広告には、リスティング広告やリターゲティング広告といった種類があります。
リスティング広告とは、ユーザーが検索したキーワードにあわせて検索エンジンの検索結果一覧に表示される広告です。既にニーズのある層にアプローチでき、効果が出やすいというメリットがあります。
リターゲティング広告は、自社のWEBサイトに訪問したことのあるユーザーに対して表示させる広告です。一度自社サイトを訪れていることから、すでに興味・関心の高いユーザーにアプローチでき、リスティング広告同様、高い効果を見込めます。
BtoB企業のプロモーション施策事例
プロモーション施策にはさまざまな手法がありますが、実際に企業はどのようなプロモーション施策を実践しているのでしょうか。2つの企業の事例を取り上げ紹介します。
事例1:ミナジン
WEBメディアを活用したプロモーションに成功した企業の一つが株式会社ミナジンです。総合人事サービスを展開し、主に中小企業に向けて、勤怠管理システムや人事評価システムなどのサービスを提供しています。
ミナジンは、人事労務担当者に向けたお役立ちメディアとして「HRソリューションラボ」を2018年5月に立ち上げました。立ち上げ以降、コンスタントに良質な記事の更新を続け、その結果、WEBメディアを見ての問い合わせが増加。新たな顧客獲得につながった一例です。
事例2:キーエンス
上場企業の中でも年収が高い企業で有名な株式会社キーエンス。自動制御機器や計測機器などの精密機械を製造販売する会社です。キーエンスもWEBを使ったプロモーションで成功しています。
キーエンスは各部署から顧客の声をヒアリングし、その要望を反映したホワイトペーパーを高頻度でWEBサイト上にアップしています。顧客が知りたい情報が網羅されていることや、その対応の速さなどから、会社の信頼感を高めることに成功しました。
メルマガ配信では、見込み客をスコア化し、それぞれが欲している情報を届けることで、WEBサイトへのアクセスを促しています。
まとめ
今回は、BtoBプロモーションについて解説しました。
プロモーションの広義と狭義の意味から、BtoBマーケティングの特徴、展示会やオウンドメディア運営、メルマガ配信といったプロモーション施策の具体的な種類も紹介しました。
また、成功した会社事例を知ることで、実際にプロモーション施策のイメージがつきやすくなるのではないでしょうか。
プロモーション施策にはさまざまな種類があり、それぞれにメリットや注意点があります。会社の規模や予算、扱う商品・サービス、ターゲットによって、どのようなプロモーションが適しているかは変わってきます。
今回の記事を参考に、自社に合ったプロモーション施策を考えて、ぜひ実行してみてください。