最近は、2020年に控えている東京オリンピックや、グローバル化が著しく進んでいる影響、日本国内のマーケットだけでは今後のビジネス展開が厳しいと感じてきている人も増えている影響で、中小・零細企業も多言語サイト制作をする必要性が少しずつでてきているように感じます。
そこで、多言語サイト制作をする際に最低限抑えておきたいことを簡単にまとめましたので、多言語でWEBサイト制作・SEO対策をする際の参考になればと思います。
コンテンツ目次
今回参考にしたサイト
今回の記事は、Googleの下記URLのサイトを参考にさせていただきました。
多地域、多言語のサイト
言語や地域の URL に hreflang を使用する
ドメインについて
まず、ドメインをどのように設定するかですが、制作する案件の状況や、設定する条件により様々ですので、下記を参考にしながら決めていくとよいかと思います。
国別コード トップレベル ドメイン名(ccTLD)
特定の国に結びつけられているドメインの種類です。
日本なら.jp、タイなら.th、中国なら.cn のようなおなじみのドメインです。
このドメインは、検索エンジンがWEBサイトが特定の国をターゲットにしていることをすぐに認識してくれます。
ただ、国によっては制限があり、誰でも ccTLD を使用できるとは限らないので、取得可能か事前に調べる必要があります。
ジェネリック トップレベル ドメイン名 (gLTD)の場合
.com、.org、.net、.info、.biz等、ジェネリック トップレベル ドメイン(gLTD)名を使用している場合は、Google Search Consoleの国によるターゲット設定ツールを使用すれば、サイトが特定の国をターゲットにしていることをGoogle検索エンジンに示すことができます。
注意点としては、
たとえば、カナダのモントリオールのレストランに関するサイトをカナダをターゲットに設定するのは問題ありませんが、フランス、カナダ、マリのフランス語を話す複数の国のユーザーをターゲットとするサイトでは同じターゲット設定をしないように注意が必要です。
(※ .eu、.asia などの地域トップレベル ドメインは、1つの国に固有のものではないため、Google はジェネリック トップレベル ドメインとして扱います。)
サーバについて
サーバーの場所はサイトのターゲットユーザーを判断する手がかりとなります。
ウェブサイトは、分散 CDN(コンテンツ デリバリ ネットワーク)を使用している場合やウェブサーバー インフラの充実した国でホストされている場合があるため、サーバーの場所は信頼性の高い情報ではありません。
上記の記事を読むと、大きく影響するわけではないように感じますが、
下記サイトのようにサーバを米国に置くか、英国に置くかで、米グーグルでの順位と、英グーグルでの順位の変動が確認できたという記事もあります。
難しいかもしれませんが、可能な限り出来ればターゲットユーザーの近い場所にサーバーを置くのがよいと思います。
URLの構造について
URLの構造の違いによる長所・短所の一覧です。
ドメイン取得時、サイト設計時の参考になればと思います。
サイトコンテンツ・コードの記述について
タグの設定。言語や地域のURLにhreflangを。
現在のページに、別言語の代替ページが存在する場合は、ページの
内に下記の記述をし、検索エンジンに代替ページが存在することを伝えます。例えば、http://www.example.com/ に、このウェブページの英語バージョン(http://ja.example.com/)がある場合は、下記のような記述をします。
「hreflang=”en”」部分の属性は、「ISO 639-1 形式」で言語の設定、さらに地域を設定する際は、「ISO 3166-1 alpha-2 形式」
で指定します。
例えば、英語サイトでも、アイルランド、カナダ、オーストラリアとそれぞれ個別にURLを提供する場合は、下記のような記述をします。
IPアドレスを判別して自動的にリダイレクトされるような仕組みのページの場合は、hreflang値を「x-default」に設定します。
下記、youtubeにも詳しく解説されています。
ページの言語が明確にわかるようにサイトを作る
検索エンジンに正しく評価してもらうためのポイントです。
自動翻訳や、直訳等は、意味が通じないこともありますし、文化によって言葉の解釈も違いますので、その国ごとに使われる言葉や慣習を調査した上でコンテンツ作成やキーワード選びをしていく事が大切です。
- Googleでは、ページの表示コンテンツのみを使用してページの言語を判断する。
- lang 属性のようなコードレベルの言語情報は使用していない。
- Googleで言語を正しく判断できるように、各ページのコンテンツとナビゲーションには1つの言語を使用し、原文と訳文を併記することは避ける。
- ページの定型文のみが翻訳されて、コンテンツの大部分が 1 つの言語のままになっていると(ユーザー作成コンテンツが含まれるページでよく見られる)、同じコンテンツが何度も、それぞれ異なる言語の定型文とともに表示されるため、ユーザーにとっては不便。
- robots.txt を使用して、自動翻訳したサイトページが検索エンジンからクロールされないようにする。
- 自動翻訳は意味が通じない場合があるため、スパムとみなされる可能性がある。
- 読みにくく不自然な翻訳はサイトのイメージ低下につながる場合がある。
各言語のページを簡単に見つけられるような設計をする
特定の地域にターゲットしたとしても、違う言語のサイトを見たいユーザーもいますので、他言語のページも訪れやすいようなサイト設計をすることが大切です。
- 各言語のコンテンツには別々のURLを使用する。
- 翻訳したページの表示にはCookieを使用しない。
- できれば各言語のページ間で相互リンクする。相互リンクを使用すると、ドイツ語のページにアクセスしてしまったフランスのユーザーも、ワンクリックで適切な言語ページに移動できる。
- ユーザーの認識言語に基づいて自動的にリダイレクトしないようにする。
このようなリダイレクトを行うと、ユーザー(と検索エンジン)がサイトのすべての言語バージョンを見られなくなる場合がある。
重複するコンテンツについて
重複するコンテンツがある場合は、以下の点を注意しながら制作を行っていきたいですね。
- 複数の地域や言語のコンテンツを提供するウェブサイトでは、同じコンテンツや類似したコンテンツを別々の URL で提供している場合がある。違う国の違うユーザーがそのコンテンツを使用する限りは通常は問題ない。
- Googleは、ユーザーグループごとに個別のコンテンツを作ることを薦めている。ただ、これができない場合でもrobots.txt ファイルや「noindex」robots タグ等を使用してクロールをブロックしなくてもよい。
- 違うURLで、同一ユーザーに同一コンテンツを提供している場合、(example.de/ と example.com/de/ の両方でドイツ語のコンテンツをドイツのユーザーに表示している場合など)推奨するバージョンにリダイレクトするか、rel=canonical リンク要素を使用する必要がある。また、rel-alternate-hreflang に関するガイドラインに沿って、検索ユーザーに適した言語や地域の URL が表示されるようにする必要がある。
その他の情報
その他、ページに記載されている住所や電話番号、使用されている言語や通貨、他のローカルサイトからのリンク、Googleマイビジネスの利用(利用できる場合)などが判断材料になっているようです。