ROAD TO INDIA 番外編 〜インドの貧困問題や、客引きや物乞いについて考えさせられた〜

2012.05.15

2015.01.03

最初、インドに行くときは、ぼったくられないようにとか、犯罪に気をつけるとか、衛生面とか、ガイド本や口コミにたくさん載ってたけれど、実際行ってみて、思ったことがいろいろあった。
確かに、相場であろう金額より多めの金額を請求してくる人はかなり多い。とくにリクシャーと、物売り。
物乞いもかなり多く、旅中は自分も右も左もわからず、疲れや暑さでそういう人達にイライラ感を感じてしまうこともあった。
道を歩いていると、柱の片隅で赤ん坊を抱いて無気力に座っている女性や、手足のないおじいさん、明日亡くなってしまってもおかしくないくらいボロボロになった人達を、老若男女問わずたくさん見た。
小さな子供がお金を恵んでくれと寄って来たときに、何度かコインを渡したりもしたが、そうするともっとくれと要求してくる子もいた。
助けてあげたい気持ちにもなるが、全ての人にどんどん与えていくとそれはそれでキリが無い。。。
とても難しい気持ちになった。
こういうインドの状況を考えたときに、自分は日本に生まれて五体満足で育ち、今も健康に笑って生きていられるのがすごく幸せなことだと強く感じた。

客引きの中には実際悪い人もいるんだろうが、僕が客引きにあったたいていの人は、本当は悪い人ではなく、本当に生活がかかっているから、先進国から来たお金を持っている旅行者に高めの金額設定をして収入を得ていくしか利益が出せないのが現状なんだろう、と思った。
そういう商売の仕方でも家を持てない人たちがたくさんいる。自分の商売道具のボートの上で寝たり、リクシャーの上で寝たり。仕事をしててもだ。

よく見ていくと、貧困層の中でもその格差は大きいと思った。
実際にコミュニケーションをとっていくと悪い人ではないということに気づく。普通に仲良くなれる人もたくさんいるしね。
被害例はたくさんあるが、情報によっては考え方次第だと思う。
ぼったくり被害ととらえるか、金額交渉で自分が負けたととらえるかという微妙な考え方のライン引きなんだと思う。
ストリートでも、常に買う側と売る側の価格交渉。時々約束を破る人がいるので、それはかなりイライラするが。。。。
確かに、移動や、買い物を安く済ませることは大事だと思うが、例え貧乏旅行にしろ、日本で低所得者層だとしても日本から海外に行けるだけで貧困層の人達から比べれば日本人は大金持ちだ。
日本が不景気とはいえ、今の日本には、たいていの人が携帯電話、スマートフォン、パソコンという超ハイテクなものを当たり前のように使っている社会だ。
金持ち以外の何者でもないだろう。貯金ができなくても節約すれば生活は回るし、飲みに行くお金も多少はあるというレベルの人は多いと思う。
インドの貧困の要因として、1950年に全廃後したが、今もなお古来より存在するカースト制度というものが多いに影響しているらしい。
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■カースト制度
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ヒンズー教にまつわる身分制度のこと。
「ヴァルナ」と呼ばれ、肌の色によって分けられた4段階層、
・バラモン(僧侶)
・クシャトリヤ(王侯・武士)
・ヴァイシャ(平民)
・シュ-ドラ(奴隷民)
これに加え、これらの制度にさえ入れない、
・アウトカースト(不可蝕民・アチュート・ダリット)
という区分もあり、インドの社会は大きく5つに分けられている。
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■ジャーティ
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上記の「ヴァルナ」に加え、「ヴァイシャ(平民)」「シュードラ(奴隷民)」の中で細分化されたジャーティという職業別階級制度が存在する。
このジャーティの種類は、一説には、2,000~3,000とも言われており、
現実的にインド社会を構成しているのは、この数え切れないほど細分化された「ジャーティ」という世襲制度だとも言われいる。
ジャーティの特徴として、ジャーティ間での分業制と内婚制を(同ジャーティ内での結婚)が挙げられる。
この内婚制度は現在でも厳格に守られており、異カースト(異宗教)間の結婚は非常に少数である。

 

インドはIT化によって急速な経済発展をとげ、BRICsと謳われるなどし、経済発展の著しい地域として世界の注目を集める国へと発展した。
しかしその反面ヴァルナとジャーティからなるカースト制度が依然として慣例となっており、元来より続くピラミッド社会は、
より一層縦長のピラミッド型社会へと向かっている。
富裕層はますます裕福に、貧困層はますます困窮にと。
カースト制度の特徴でもある親の職業の世襲、内婚制により、貧困層はいつまでたっても裕福にはなれない。
確かに、旅中の道でいろいろ見ていく中で、簡単に職業なんて変えられないんだろうなとか、この国の結婚事情とか大変そうだね、というような話を彼女としていた。
そういった雰囲気を、旅をしながら感じる場面や、人の景色がいくつもあった。
日本は、今簡単に転職ができる時代。
都心部では特に、次のキャリアへステップアップするためとか、今の会社の雰囲気が自分にはあわない、という理由で比較的簡単に転職ができる。
就職難とはいえ、大企業に募集が集中しているだけで現実求人情報は腐るほどある。選り好みしなければ仕事はたくさんある。
今の日本は、一生かかっても経験できない、手にできないほど物や事がたくさんある時代だ。不景気とはいえ、本当に裕福な国だ。
逆をいえば物や事がありすぎて、ビジネスは飽和状態だが。。
趣味や、楽しいことが見つからなかったり、仕事がうまく行かず、うつ病、自殺者や、将来に不安を抱える人達が多いのも事実だ。
裕福な国なのに、街全体の活気・元気は海外に劣る。
いい意味でも悪い意味でも整備されすぎた街、規制規制で自由が奪われていく。
これから自分の将来と、将来の日本とどう向き合いながら生きていくかということを考えると、その答えは、
「STAYGOLD」
いつまでも心の中のキラキラを忘れずに行こうぜってことだね。
今は、風呂のある部屋で暮らせるようになったし、パソコンもインターネットも自由に使える。
バンドマン時代の約5年間の風呂なし生活を思い出すと、本当に恵まれた環境にある。つらいときにはそういった事を思い出したりすることもある。
風呂がなくても、金がなくても充実していた。
窓から隙間風が吹いても心にそんな風は入ってこなかった。
どんな環境でも、楽しく、笑って人生を過ごしたい。あいにく口べたなので、しゃべりはうまくないが。。。
笑う事ができるのは人間だけに与えられた特権だ。
楽しく生きて、頑張って仕事をして、お金を貯めて、また海外行きたい!
現地のそういった人達と向き合い方を変えるだけで、旅の見方も変わってくる思った。
もちろん言われるがままでは身がもたないが。
そんなことを考えさせられるインド旅行だった。いい社会勉強になりました。

KEiSoN★

デジタルハリウッドオンラインスクールで、webデザインの基本を学ぶ。
2007年よりECカート開発会社にてwebディレクター/webデザイナーとして従事。マネージャー職も務める。
2009年1月よりフリーランスのwebディレクター/Webデザイナーとして独立。2015年11月にスカイゴールド株式会社として法人化。
中小企業向けのWebブランディング・デザイン、Wordpressのオリジナルテーマ開発が得意。
国内外の様々な価値観・クリエイティブに接触することで、幅広いクリエイティブや臨機応変にアイデアを提供する。