13日目。チェンマイのステイ2日目はゆっくりと始まった。
近所のゲストハウスのお兄さんに、スクーターを借りる。
この街は、レンタルバイクが借りられる。見つけた瞬間、心が踊り始めた。
エンジンを掛け、城下町から1004号線を北西へ、バイクは勢いよく走り出す。
景色はすぐに市街地から、郊外の街、そして山道へと移り変わっていく。
カーブの険しい山道を小1時間走ると、そこには、ドイステープ寺院という、チェンマイで最も有名な仏教寺院に辿り着く。
ケーブルカーに乗り、頂上に到着する。
黄金色がやけに目にとまり、眩しい太陽の光がそれをまた強調する。
黄金色の寺院の建具、仏像、円錐形の仏塔、色とりどりの花。そして強い緑色をした木の葉。モン族の子供達の舞踊。シャッターを切りながら、そんな光景と共に少しの時間を過ごした。
そして、ドラゴンの手摺の長い階段を下り、寺院を後にする。
路肩にオレンジジュース屋さんの屋台を見つけたので、飲んでみた。
とても甘い天然の味、美味しい。カラカラに乾いた体に染み込んでいく。
そして、再びバイクに乗り、さらに山奥を目指す。
ガソリンのメーターを少し気にしながら、涼しくなってきた山道をまた一時間ほど走っていく。
次に到着したのは、モン族という東南アジア少数派民族の村。
村の入り口にバイクをとめ、中に入っていく。
観光客向けの露店の通りを抜け、奥のほうへ歩いて行く。
時間のせいだろうか。民族衣装を纏った村の人があまり歩いていない。さらに奥へ歩いていく。
村の奥の庭園に入ったところで、民族衣装を来ている子供をやっと見れた。
あまりにも人が少ないことを不思議に思いながら庭園をさらに奥へ進む。
赤・ピンク系を中心とした色とりどりの花の香りと、静かな風の音を感じながら、さらに奥へと歩いていく。
子供達が池で泳いで楽しそうに遊んでいるのを見て、とても幸せな気持ちになった。挨拶も笑顔で答えてくれる。美味しい山の空気、美しい花、無邪気で自由な時間。。そんな景色がここにはあった。
なぜか懐かしささえも感じる、いつかどこかで感じたような、ゆるやかな光景と流れる時間。
そして、モン族の村を後にし、陽が落ちる前にバイクに乗る。
体全体に受ける風が少し肌寒い、車通りの少ない険しいカーブの山道を再び走り、チェンマイの街へと戻った。