午前7時。
夜明けのベルが鳴る。
旅先は、なぜか毎日目覚めがいい。
カーテンを開くと、心地よい朝の光が差し込んで来る。
パンと、シリアルの種類が多い、モーニングサービス。
ホットコーヒーで寝起きの体を温めながら、一仕事を終わらせ、出発する。
バスに乗り、20分ほど揺られる。到着したのは、グレイスランド。
ロックミュージシャン、エルビスプレスリーの暮らしていた邸宅を訪れる。
キング・オブ・ロックンロール。
貧しい幼少時代。
11歳の時に誕生日プレゼントでギターを買ってもらったのを機に、音楽に傾倒していく。
エルビスは、13歳の時に、メンフィスへと転居した。
メンフィスは非常に貧しい黒人の労働者階級が多かった。そんな環境の中でエルビスは黒人の音楽を聴いて育った。
母の誕生日祝いのためにサン・スタジオで初のレコーディング「My Happiness」を録る。
サン・スタジオの創業者、サム・フィリップスはその録音を聞き、エルビスの才能を感じたのをきっかけに、彼を売り出していくことにした。
エルビスのスターへの道のりは、ここからスタートすることになる。
街で一番大きい家を両親に買ってあげるという少年時代の夢を叶えて引っ越してきたのが、この邸宅。
白を基調としたリビングルーム。
ここで作曲をしたりすることもあったようだ。ピアノの音色の幻聴が聞こえてきそうな、神聖な空間。
寝室。紫のベルベットのカーテンと布団がよく映えている。
ダイニングルームにはかなり大きめのシャンデリア。
70年代を感じるような、ウッドが基調になったキッチン。
天井と壁面と照明がかなり派手なデザインのビリヤードルーム。
未来的な雰囲気を感じさせるテレビルーム。
無数のゴールド&プラチナディスクや、様々な賞、衣装などが飾られている Hall of gold。
累計10億枚のレコードを売り上げたエルビス。
偉大な功績と影響力を感じながら、自分の小ささも同時に感じる。
そして、この墓地でクライマックスを迎える。
母親達と共に葬られているメディションガーデン。
目を閉じて、手を合わせる。魂が空に吸い込まれていく。
そしてまた、今日もBeale.stを徘徊しながら、酒をあおり、テンションの高い夜を迎えていく。