何度でも行きたい場所がある。
タイランド。
一人旅として初めて行った国でもあり、現地の人達も優しい人が多く、良くも悪くも、様々な光景を目にする事ができ、食事も楽しめる。
出発日の5月6日。日本もだいぶ暖かくなってきたが、バンコクに到着すると、強い太陽の日差しと、熱気、街の雑踏がさらにテンションを高ぶらせていく。
エアポートレールリンクのパヤータイ駅で降り、トゥクトゥクでカオサンロードへ。
相変わらずの無国籍な雰囲気と心地よい雑多感。しつこくない適度な客引きがまたよい感じで現地の人達といい感じにコミュニケーションがとれる。この感じがたまらなく好きだ。
早朝のカフェのテラスでビールを飲みながら、のんびりと通りを眺める。
一通り歩いたら、この通りはそれだけでも十分いい。
今日の宿。サムズロッジというところにチェックイン。
重たいバックパックを置き、再び外へ出て、トゥクトゥクに乗る。
最初にワットポーでお参り。
圧倒的な存在感で迎えてくれる。まさにこれがタイの寺院だ。
横たわっているのは、悟りを開き、涅槃(ねはん)の境地に達したことを意味しているということだ。
何人が、何年かけて、どんな技術で作ったのだろう。
この像の裏側には、一列に並んだ賽銭を入れる108個の金属の鉢がある。
108枚の小銭を一枚ずつ入れながら、全ての鉢に入れ、煩悩を消していくというものらしい。
ゆっくり歩きながら、賽銭を入れていくと、自然と無心になり、心が不思議とゆっくりと、落ち着いて来る。
日々のストレスや、移動の疲れがすっと抜けていくような、何かに吸い込まれていくような、そんな感覚。
寺院の外側へ出て、全体を眺める。
寺院の装飾もまた美しい。手作りでキメ細かい装飾に感動を覚える。
そして、寺院から少し離れた場所にある、プレーンプートン通りを歩く。
クリーム色の壁と、グリーンの窓で統一された景観が美しい。
150年前のラーマ5世時代に建てられたタウンハウスらしい。
当時のノスタルジックな面影を残した、バンコクでは少し異空間な雰囲気が漂っている。
一度カオサンロードへ戻り、明日のクラビー行きの航空券を買う。
陽が落ちる頃、タクシーに乗り、ラチャダムヌーン・スタジアムに向かった。
スタジアムのエントランスに着くと、もの凄い人で溢れている。
今日はどうやらチャンピオンが出場する試合があるらしく、チケット代もいつもより少し高くなっているようだ。
まだ試合開始まで時間が少し余ったので、外でのんびりしながら現地のおじさんと適当な会話を交わして時間を潰し、6:30の試合開始時間が近づいてきたのを時計で確認し、リングサイドのチケットを買い、スタジアム内に入る。
試合は全部で7試合あり、様々なウェイトでの試合や、子供の試合も行われていた。
鍛えられた筋肉が強く、美しく、技も巧みで、気合いがリングサイドまでしっかりと伝わってくる。
テンションが高揚したまま、再びタイの旅が始まった。初日であることを忘れてしまうくらい濃厚な1日になった。